石臼豆腐は何故うまい?
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まずい豆腐よさようなら

* * *豆腐四兄弟時代だよ家電メーカーさん* * *

私のホームページを見たある主婦からメールが届いた。
「私は60半ばの主婦です。日々の買い物の市場で買う「豆腐」の値段が最近と みに安売りの特価が目につきます。最近は1丁50円を割る豆腐も。
私どもやりくり主婦にとってはありがたいのですが、ふとどうしてこんなに安く?と不安な疑問。 なにか豆粕のような廃物利用の豆腐かなと疑って見たり?
 かって自分の家で日常茶飯事のように、 母や祖母が作って食べさせてくれた石臼で挽いた「手づくり豆腐」の思い出が蘇った。 その上澄みをソーッとなめて甘かったこと。 (その豆は田んぼのあぜでとれた純国産でした。)
断片的な想いでがよみがえるとともに,無性にあの石臼で 挽いたわが家の手づくり豆腐を再現したくなりました。
しかし、こんなママゴトのような小分量では教えてもらええるところもなく、 小谷富雄著書やベターホーム協会(Tel.06-6376-2601,Fax.06-6376-4031) の本をたよりに一語一語かみくだいて,タドタドシク作りはじめましたが、 試行錯誤で豆腐らしきものができました。」

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石臼豆腐ブーム到来か

1. 豆腐は粉だ
 インターネットの英文検索で tofu と入力すれば 2万件を超えるるヒットがある。アメリカではtofu がそのまま英語になっている。
アメリカ人の悩みである 肥満と癌を克服する栄養学的理由 から、 『The book of tofu』 という本がベストセラー並だったという。

 おそまきながら、最近わが国でもNHKをはじめ料理番組では豆腐の話題が花盛り。 まさにトーフブームの気配だが、なぜか石臼の部分はNHKでも抜けている。
 豆腐は粉体工学の仕事だと言っても理解しにくいが、 その製造工程はまさに粉体プロセスである。

  1. 水に浸してやわらかくなった大豆を
  2. 石臼で挽いて
  3. ドロドロになった豆乳(水中に分散した粉)から所定のプロセスを経て豆腐が造られる。
このような石臼の使い方は、もっぱら東洋で発達した。 西洋の石臼は、鉱山臼 以外は主に乾いた粉末をつくる小麦製粉用として発達した。 小麦製粉は東洋では貴族の特別な食べ物として主に中国北部の乾燥地帯に広がったが、 同時に豆腐用に見る湿式の粉砕も発達した。
中国、韓国や日本では最近まで日常的に残っていた。 豆腐は仏教を基本とした東洋文明を支えた食材であった。

2. マスプロ豆腐からこだわり豆腐への道
 豆腐は日本人にとって毎日欠かせない食べ物だが、 腐敗しやすいから小さな村でも豆腐屋が何軒かあったものだ。 現在では 1丁100円を割った豆腐 がスーパーに出ている。 だが見かけだけの豆腐で豆腐のおいしさは骨抜きに。豆乳もけっしておいしくない。
一方でこだわりの豆腐が各地に生まれている。 その最たるものは新宿のデパート戦争の象徴だった、1丁1000円豆腐 だ。 1997年に出たフジテレビで片棒をかついだのが私だから責任を感じる。 いまでは京都でも大阪でもこだわり豆腐があちこちに出ている。 しかしベラボーに高価で味はそれほどではない。
 文句をいうならご飯を自宅で炊くように豆腐も自宅で造ればいい。 自家製なら豆乳と湯葉を豆腐と3点セットにできる。豆乳は牛乳の代用になる。 だんご三兄弟ならざる豆腐四兄弟 だ。
長兄が 豆乳、 次男が 湯葉、 そして三男が 豆腐、 おまけの四男が オカラ
コマーシャルはメロディ込りで団子四兄弟まかせ。

3. ジューサーかミキサーで代用できるか
 問題は石臼だが、石臼を持ちだしても現在の家庭では住宅にマッチしない。 電動で、サニタリーで、使い勝手がよく、それに手頃な値段の豆腐製造機がないものかと思っていたら、 あった。
 新聞広告に豆乳・ジューサー器(03-3866-4341(株)東京ユニコム)なるものが出ていた。 値段は3万円そこそこだ。さっそく発注した。
 実にスマートですぐ電源を入れる。静かでサニタリー。まず驚いたのはオカラが自動的に排出されるから、豆乳を搾る必要もない。 出来た豆乳は満足できた。もう牛乳はいらない。湯葉も簡単にできた。

4. 豆乳製造機は豆腐用にも使えるか
 だが、豆腐になるとやっぱり満足できなかった。オカラはパサパサでまずい。
豆腐には昔の豆腐屋さんで嗅いだあの豆特有のトーフの匂いと味がない。
 止むを得ず石臼を持ち出して、目立てし直して豆腐作りに挑戦 することになった。 石臼を挽いてみるとただ単に粉砕しているだけでなく、混練作用がある。 オカラの性質もまったく違う。オカラ繊維が切れずに残っているのだ。
 石屋に相談すると豆腐臼は経験がないという。仕方がない。 京都の営業用豆腐臼にならって新しい石臼を作った。供給口を4センチにした。
 豆腐は検討を要する因子が多い。
  1. 豆は国産かアメリカか、それも遺伝子操作をやった多産種でないかどうか。
  2. 石臼の目立ての方法
  3. 回転速度
  4. 豆乳の濃度
  5. 凝固剤のニガリはどこの製品がよいか、また凝固温度は何度か?
 ニガリもニセモノを含んで様々。どれがよいか検討中。 塩では伯方の塩なら間違いないようだが、伯方のニガリはない。 なお豆乳の濃度Brixは、アタゴの手持屈折計Eシリーズを利用している。
 さて目下ひたすらに因子を変えながら条件研究中。

 以下はノウハウ。いずれどこかで豆腐四兄弟店が上記の暖簾(のれん)で開店 するかも?

5. 次は大手家電メーカーの出番
 電気炊飯器はようやくまともになった。豆腐も日持ちしないのだから、 当然自家製であるべき。大手家電メーカーが虎視眈々というが、お手並み拝見だ。 市場はとりあえずアメリカ全土にある。これで不景気風もおさまるかも。

家庭用電動石臼試作機完成


E-Mail: 三輪 茂雄 smiwa@wao.or.jp