石臼目次 |
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(上の絵はゆっくり動きます。石臼の目の見事な幾何模様は世界共通で、 しかも驚いたことに紀元前に世界に普及しました。しかし日本に来たのは その後1000年余あとのことでした) |
京都 |
東海 | |
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日本の石臼は江戸時代に形を整えた独特の形態で、 挽き手の取り 付け方などにに地方性がある。 |
日本の石臼の代表的な形態のものについて各部の名称と基本を下図に示した。
西洋の臼で使う述語も参考のため並記した。目の溝には主溝(master furrows)と副溝
(secondary furrows)がある。臼の目は送り出し機構である。目の分画のことを英語では
quarter というのは石臼独特の述語である。 各分画の副溝は上石も下石も反時計回りに進んでいった前方の主溝に平行になっている。 このようなパターンを反時計方向のパターンという。手挽きの石臼の大部分はこれである (塩ふき臼説話がしめす通りである)。水車などの動力で回す臼は歯車の都合で両方つかう。 後にのべるように、極めてまれに時計方向まわりの石臼もある。ことになぜか佐渡産の臼は、 時計方向回りである。石屋の勘違いもある。反時計方向に回転するのは、手挽きなら中国 でも西洋でもおなじだが、これは人間の長時間労働にもっとも適した回転方向だからである。 右手で臼をまわし、左手で穀粒を一粒づつ入れながらの作業を長時間やってみると、この 回転方向がよいことがわかる。日本にはが地方によって臼の目のパターンが8分画と6分画 とあって、地方性がある。 この臼の目の交叉が見せるロマンは格別だ。 このほか稀に奇数(5,7)分画などもある。これらは偶数を忌む風習によるもので、 臼の性能とは関係ない。沖縄は豆腐用なので不正確な分画である。 |
石臼関連の著書:
三輪茂雄著:『ものと人間の文化史-臼』(法政大学出版)市販中書店で扱い中
三輪茂雄著:『増補石臼の謎』(クオリ刊)直接下記出版社へ
三輪茂雄著:『石臼探訪』(クオリ刊)
問い合わせ先:03-6763-6673 クオリ社 担当肥留間
最新刊:『粉と臼』(大巧社,1999)