環境ホルモン
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貝の山の牡蛎が小さくなった

日本人形にも環境ホルモンの余波が


今でも牡蛎(かき)を石臼で挽いている。
2004年3月現在も動いている。

(撮影三輪茂雄)

 私の自宅に近い毎日通勤に通る道路脇に、中川胡粉工業の牡蛎の貝殻山がある。 20年近く前からの見なれた風景だった。この会社は食用の牡蛎(カキ)の貝殻を細かく粉砕して、 日本人形の肌色を出す胡粉(ゴフン)をつくっている。

 昔は江戸や生駒山近辺にも沢山あった工場だ。ところが最近その貝がめっきり小さくなった。
1998年2月23日(月)にたまたまそこの社長さんの顔が見えたから、お久しぶりとあいさつついでに

「最近貝がめっきり小さくなりましたね」
というと、
「そうだ、困ったもんだ。日本には牡蛎がほとんどいなくなったから、中国から輸入しているが、 まもなくそれもなくなるらしい」
とおっしゃる。
「なぜですか。」
と聞くと
「貝の世界的な絶滅ですよ」。

「あ、あれですか。いよいよ来るものが来ましたね」
という会話。日頃食卓にでる牡蛎も今は輸入だという。
「そういえば桑名の蜆(シジミ)も最近はアサリに変わりましたね」
 さすが世界をかけめぐっている大社長だ、現実を正確につかんでいると感心した。 数年前まではこんなに大きかった。
これは現在の社長の親爺さんだが、しわをとれば現社長も同じだからそのままでよかろう