石臼が作り出した日本の食文化

 うどん、蕎麦、豆腐、黄粉(きなこ)、抹茶、胡麻(ごま)、団子(雑穀を食す場合には稗団子、黍団子など)、いずれも石臼なしには存在しない。石臼がまだ一般に普及していなかった奈良、平安時代には、うどんは貴族の食べ物だった。当時の貴族は唐の国から来た珍しい食べ物だった麺類を建物跡にある「碓屋(うすや」で製造した。そこではたて杵とくびれ臼かせいぜいあっても唐臼だった。

たて杵くびれ臼           からうす

「色の白いは七難隠す」というが、洗剤ならともかく、白米、精白糖、精製塩、真っ白い小麦粉を礼賛した時代があった。最近ではその逆で、自然食ムードで黒いパンしか食べない人もいる。

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