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終末沈降速度の一般解-Stockes の式が通用しない領域を含む場合(1996.5.6再改正)

テキストのp.61 〜p.65には面倒なことが書いてあるが,こういう場合はいきなり計算問題を解くことだ。そうすれば一挙に理解できる。1.5時間以内に完成せよ。

 CRem^2=(4g(ρp-ρ)ρ)/(3μ^2)*Dp^3 ・・・・・・・(3.28)式

を見てその下の3行を読め。

(3.28)式の左辺は表3.1から計算できる一般的値であり、右辺は物性値から計算できることに注目させる。  Stokes式の条件(球、層流)から外れる場合について、形状補正、Cunningham補正、壁効果、粒子濃度の影響がテキストにのべてある。ここでは粒子レイノルズ数が大きくなる乱流を含む場合の問題をやる。

問3.2 直径1000,500,100,50,10,1[μm]のガラス球が、20℃の空気中および水中で沈降するときの終末速度を一般解で計算せよ(3.7)式。(またStokes式が適用できる場合につき終末速度の99%,99.9%に到達する時間およびそれまでの沈降距離を求めよ。(3.7)式で)ただし、ガラスの粒子密度 は2500[kg/m^3]とする。(Stokes式による計算式で計算し要すれば一般解でやり直すこと)

巻末の[解]によれば1μmのとき0.99 に到達する沈降距離は、空気中2.08×10^-9[m],水中4.10×10^-13[m]すなわち瞬時に到達する。

[解説]  粒子径が1000μmともなるとStokesの式ではとんでもない値になる。 計算してみてもよい。75[m/s]と出る筈だ。 その場合には一般解が必要になる。

 乱流条件に関する説明は一切しない。 表3.1はRe〜C関係図3.2を作成するための物性表である。この表が完成するために行われた世界の研究の集約である。特にReが10^6あたりの数値はジェットエンジン開発に際しておこなわれた大規模な実験の成果である。(先輩たちに敬意を表し、ゆめ疎かにするなかれと訓示する)図3.2を近似させる試みもある。式(3.18)とコンピュータ用近似式(3.20)(田中善之助)を紹介する。  

 さてここでは図解法で理解を深めよう。

  表3.1よりlog-log紙上にReにたいしC 関係図を書いて、小さいReの値は構わず(3.13)式から計算。 Rem=Dpumρ/μからum を求める。

log-log紙に書いたものの見本を持参し、少ない用紙で大きなReの範囲を含むように工夫したlog-log紙のパターンを板書する。

  p.64上から5行以降p.65上3までは省略(便法の一例に過ぎないから) 終末沈降速度に到達するまでの過程を、過渡状態という。その時間経過の計算と図解法は省略する。

( 求め方は前述の繰り返しになるから。)

 (3.32)式の    

 Φ=4gρ(ρpーρ)D^3 /(3μ ^2) は物性値のみによって決まる。 

  Φ=CmRem^2の関係があることから、別に表3.1よりlog-log紙にRe対CRe ^2関係図を書いて、Remを求め  

Rem =Dpumρ/μからumを求める。

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