リンク:芭蕉の石臼の頌(石臼を讚えた名文)


 芭蕉の句(これは私の石臼技術論である)
茶臼山はかならず富士山の形をしている。頂上が平らで円錐形に裾野が広がっている。
茶臼山の親分は富士山だ。俳人松尾芭蕉は延宝四年夏、富士山を見て、芭蕉33歳の時の作

  山のすがた
      蚕が茶臼の
          覆いかな

と詠んだ。
 わたしはある年の5月、新幹線から富士山を眺めたら、麓を白い雲が覆って、その上に茶臼に覆いをかけた格好の富士山があった。蚕の足は松の木だった。芭蕉が見たのも5月である。
 なを芭蕉には茶臼山の句がほかにもある。
  ツモレツモレ とく起きて見ん  夜の雪
  鴬や 老いをなぐさむ 茶臼山
  名月の 夜やおもおもと 茶磨山


ちなみに岩波文庫『芭蕉俳句集』には蚕のところが蚤になっている。これは古い諺に、ありえないことが現実になったことのたとえに、「蚤が茶臼」蚤が茶臼を背負って富士山をチョイと越えたなんてありえないことだが、足軽からの成り上がり者が天下をとった秀吉の故事に由来する。しかし蚤が茶臼を背負ったのではとてもい「ふjい富士山のかっこうにはならない。
 別の俳句の詳しい本(『芭蕉全集』(日本名著全集刊行会, 1929)の62頁)に,「原本の「蚕}の右傍に「蚤歟」と記せり。「 芭蕉翁全傳」には原本の如く「蚕」とあり。「錢龍賦」には「不二の山蚤が茶臼の覆いかな」ー他石)とあった。初夏の早朝に新幹線から富士山を眺めたら、麓を白い雲が覆って、その上に茶臼に覆いをかけた恰好の山が見えた。もともと蚕だったところを誰か別人が蚤と朱を入れた(訂正した)のであろ。


 新幹線で富士山を見たら是非確認していただきたい。

あきれたもので、相変わらず蚤が茶臼と書いているHPがある。山梨大学のページらしい。富士山の裏側からでは見えないだろうが・・・

http://www.ese.yamanashi.ac.jp/~itoyo/basho/haikusyu/chaus.htm

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