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豆腐づくりの歌

 子どもたちの命名による「畑の先生」というのは,子どもたちの体験や活動を積極的に支援してくださった学校の近くに住むおじいさん・おばあさんのことである。こうした方々の援助でたくさん収穫された小麦は,峙せつ子先生によって「さなぶり餅をつくろう」の学習につなげられた。そこには,大きな杵を懸命に振り上げる子どもたちと、そうした活動を見守り,援助するPTAの姿があった。生駒台小学校でも大麦が栽培されていた。校地の一隅にある学級園に蒔いた大麦が芽を出し,大きく育てたいという願いを実現しようとする子どもたちが作った「ふまないでください」「大きくなってね」と書かれたプラカードに守られてすくすくと育っていた。児童数のわりには狭い畑で,収穫も少なかったが,みんなでいただけるようにと考えた松田直恵先生たちの工夫で麦茶に加工され,子どもたちののどを潤した。

 生駒東小学校では大豆が栽培されていた。たくさん採れた大豆は倉屋公子先生と子どもたちの手で近くのお豆腐屋さんに運ばれ,翌月は豆腐に変身した。ふだんの日では,お客様に迷惑になってはいけないからという店主の配慮で,休日に工場を開けていただいて,子どもたちは豆腐づくりに挑戦した。私もお相伴にあずかったが,なかなかのできばえであった。この「大豆を育てよう」の単元は,大豆を播き,育て,収穫し,豆腐を作り.栽培活動を振り返って発表会をするという息の長い取り組みであった。このまとめの最後には次のような報告がある。

 お豆腐作りをした翌日,R先生が"おとうふのうた''を作ったんだけど,どうかな」とKさんが詩をもってきた。そしてみんなにメロディをつけてほしいとお願いした。歌にして歌うことには全員賛成だが,メロディをつけることはまだ難しい。そんなとき,音楽の堪能なMさんが「わたしが作ってみます」と名乗りをあげてくれて,『おとうふのうた』ができあがった。 このハ長調4分の4拍子の16小節の歌には,お豆腐作りの情景が生き生きと表現されている。

「きょうは お豆腐作ったよ

  おいしい おいしい お豆腐だ

   つぶして 蒸して かきまぜて

     とろーり とろーり かためましょ

       ぷっか ぷっか ぷかぷか うかばせて

         かためたおとうふ 水のなか

            できた できた お豆腐だ

              お味は満点, 百点だ」

には,物を作る喜びが満ち溢れている。

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