貝の山の牡蛎が小さくなった


環境ホルモン(内分泌撹乱物質endocrine disruptor)問題

 最近、NHKテレビ(1997.11.23)スペシャル「生殖異変・しのびよる環境ホルモン汚染」で大きく扱われた問題である。朝日新聞1998年1月9日(金)夕刊第一面や読売新聞1998年1月6日夕刊にも出たが、ことの重大さに、語る人は少ない。これは夕刊は都市部に限られていることも関係あるのかも知れない。朝日新聞では「特定の生物に害を与えることが判明したものとしては、船底の塗料に使う、有機錫化合物があり、日本近海の巻貝38種のほとんどが両性化してしまった。」とある。私が現実に見た島根県や京都府丹後半島の鳴き砂の浜辺で微小貝が全滅に近い状態になったのもこれだとなると,ヒシヒシと迫りくる人類の危機を意識せざるを得ない。読売新聞では「性ホルモンかく乱物質を日本の環境庁が都市周辺の河川で検出」と報じた。なぜかこちらも夕刊だった。

下記の本は環境ホルモンについてのベストセラーのトップらしい。紀伊国屋書店のホームページを通じての注文でようやく入手できた下記の書物はアルバート・ゴア アメリカ副大統領の序文つきであった。</P>

翔泳社刊 1800円(1997.9.30.)

  約30年前に出たカーソン著『沈黙の春]が農薬の危険性を指摘して、PCB,DDT,ダイオキシンなどの害が知られるようになったが、それよりさらにこわい話だ。

集英社刊 2000円 (1998.2.28.)

この本はもっと具体的だ。巻末の解説で以下のような具体的注意事項がある。「ヒトに対する影響はまだ仮説の段階であろうが、とにかく予防的対策は今からとるべきだ。肉類など食物連鎖の上位に属する動物類は多く摂取しないほうがよい。安全基準がはっきりするまで、できるだけプラスチック製の食器は使わない。キズついたり古くなったものは取り替える。陶製や木製のものにする。とくに子どもには注意すべきだ。」

学術的資料は環境ホルモン特集号『科学』1998年7月号参照

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