リンク:2003年石臼シンポジウム開催案内


わが国食物学の従来の通説を破る

世紀のシンポジウム:ヨーロッパの石臼が東洋の石臼を越えるかを問う

         --日韓石臼シンポジウム-- 盛会裡に無事終了

 

日本臼類研究会・韓国石臼研究会共催:粉体工学会,粉体工学会西日本懇話会,日本粉体工業技術協会,宇治茶臼研究会後援 

観世音寺碾磑を感慨無量で見学する韓国の尹先生ほか中国およびわが国の参加者たち

 

開催日:1998年12月12-13日 2日間(参加者名簿)

発言する植草先生  聞き入るユン先生

 

開催場所:大分市湯布院倶楽部  世話役:福岡県小郡市・田中三次郎商店( Tel.0120-32-2002フリーダイヤル)

趣旨:なぜ今石臼か:日本国内では、最近石臼復活ブームの気配がある。世界的グルメ嗜好、自然食ブームは生活水準の向上と無添加,低カロリー指向と高齢化による味にうるさい世代の出現などに対応するものであり,決して一過性のものではなさそうだ。従来の石臼普及を阻んできたはその生産性の低さであったが、それを克服した安価な西洋の臼がすでに日本に上陸している。東洋独自の多様な食文化,豆腐,蕎麦,抹茶,豆腐,和菓子などにも変化がおこるのか。

 いま話題の古代日本史の謎,日本最古にして最大の石臼の実像を調理学の立場から探るところから,西洋の小麦製粉に対し東洋は湿式粉砕の蛋白源豆腐製造用が主体だったことを明らかにする。太宰府観世音寺に現存する遺物の巨大石臼は日本書紀によれば推古10年(610)に高句麗から渡来した僧曇徴がもたらしたと伝えられている。今回それが豆腐製造用だったという仮説を討論する。しかし既存の文献による学説(篠田 統)では約100年後の唐の中ごろとされていた。この通説を破った報告を含んでいる。

韓国からの客人(ソウルの女子大の教授連)と中国からの客人をまじえて討議した。

第1日 12月12日(土曜)午後1:00 福岡空港国際線駐車場集合(資料配布し車内で→貸し切りバスで太宰府観世音寺へ

    碾磑見学

    15:00 貸し切りバスで太宰府発-湯布院へ(基調講演開始,異例だが時間節約で自己紹介と見学の要点解説))(講演会場は健康温泉館)

    17:00-17:20 基調講演 観世音寺碾磑実測調査結果と豆腐製造の可能性 同志社大学名誉教授 三輪茂雄 

    17:20-30 基調講演:平成の碾磑製作経験から  広島市立大学芸術学部助教授 植草永生

    17:30-18:00 基調講演 韓国における石臼使用の歴史 中央大学校 家政大学名誉教授 尹瑞石

    18:00-19:30 夕食

    19:30-19:50 豆腐製造プロセスの実施例紹介 榎本薬品株式会社 社長 榎本時一

    19:50-20:00 中国洛陽の巨大石臼 北神戸中学校 教諭 米澤晋彦

    20:00-20:30 韓国における石臼と豆腐 安東大学校教授 尹淑景 

    20:30-20:45 中国・上海  北陸高技術開発公司 研究員 豆腐起源調査団報告   王 勇 

  会場には北は秋田,福島,南は鹿児島から石臼を愛する人々が熱心に聞き入った。温泉での会は湯船でも交流があるのがスバラシイ

第2日 12月13日(日曜)  

      8:50-9:00 味の素食の文化センター発売の豆腐取材ビデオ視聴

     9:00-9:20  韓国における石臼と調理  明知大学校教授 趙厚鐘

     9:20-9:40  韓国における粉食と石臼その物性 誠信女子大学校 教授 安明秀

     9:40-10:00 韓国のお寺に残されている石臼  全州大学校教授 徐恵卿

    10:00-10:30 ヨーロッパの輸入石臼のデータと挽き粉の特性 熊本製粉(株)取締役 川崎貞道

    10:30-12:00 ディスカッション(ヨーロッパの輸入石臼情報を含む)

    12:00   解散