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京都の地豆腐研究に熱心な久在屋社長
世界文化社刊:デリシャス誌2001.9月号750円より
この雑誌の最新刊に日本一の「豆腐」を探す下記記事あり。
研究熱心なご主人の創意の結集「青竹よせ豆腐」
老舗の多い京都の豆腐店の中で、創業19年目といえばまだまだ新参。そこで、ご主人の凍田さんが老舗とはひと味違う、ほんまもんの京豆腐をと、地元産の材料だけを使って作ったのが「京都の地豆腐」だ。
「大豆は丹波・亀岡産の大鶴大豆です。甘さがあり、豊潤で重々しい香り。これを使うと、鼻から抜ける香りっていうのが全然違います。で、水は嵐山の奥の愛宕山系からくる地下水。井戸水屋さんに見てもろたら、ここの水はABCランクのAやと太鼓判押されて。ニガリは丹後半島にある網野町の”翁のニガリ"。海水ニガリなのでミネラル分も多いし、大豆の味を100%引き出してくれるんです」それと同じ材料を使って10年前に生み出されたのが、「久在屋」自慢の「青竹よせ豆腐」。竹入りはうちが一番早かった、とご主人。
ニガリを入れた豆乳はすぐ固まり始めるので、その10秒ほどの間に竹筒に一気に流し込むのがポイント。 繊細で手間のかかる商品なので、作れるのは一日200個ほど。ほんのり竹の香が移った豆腐は、舌にのせるだけでホロホロとろけるような食感。豆乳濃度14度という。まったりとした豆の威力もストレートに感じられる。最近では黒蜜で食べることを新提案。口の中で、一瞬にしておいしいデザートに変身する様は、豆腐のイメージを変える驚きの体験だった。
全国各地の地豆腐をめぐるネットワークづくりにも熱心なご主人。次なる課題は石臼豆腐の再現とか。今後も注目を。