浄土真宗は墓不要
福原堂礎著『真宗門徒の墓づくり』(朱鷺書房,1987)
浄土真宗
上石津町で浄土真宗の調査をしていて,意外な話を聞いた。上石津町の中にある1つの村落では墓を作らないという。そこは勿論浄土真宗の熱心な地であり,お寺もある。その話を私が知らなかったのは,土地の人たちがそれを恥ずかしいことと考えていたためという。
そんな時,シンガポールでは土地が少ないから墓地を撤去して高層マンション建設が進んでいると報道された。墓地は日当たりがよい場所にあるのが普通だ。東京などではビルの地下に納骨するのが流行という。なぜ納骨しなければならないのか。それより,なぜ墓がいるのか。
最近,それに答える上記の本を見つけた。明快な回答だった。親鸞の教えによれば人は土に帰るものだ。真宗には墓はいらない。建てるのなら南無阿弥陀仏と書いた名号塔を建てればいい。