リンク:東福寺とそうめんの関係

 現在市販されているそうめんのおつゆについて、注文がある。私の田舎は岐阜県養老郡上石津町の山奥であるが、法事などのときには、必ずそうめんが出る。そのおつゆには必ず酢が入っているから、私は、酢のないおつゆのそうめんなどとても食べる気がしない。ところがこの話を人にすると、酢なんてとても考えられないという人が多い。ある食物のシンポジウムでこの話しをしたら有名な料理専門家(2004年も民放でしばしば顔を出す奥村彪生氏)が、「それは室町時代の食べ方です。でも今でも残っているのは九州のある地方だけと聞いていたが、まさか」と。でもこれ事実で、最近も葬式には必ず酢のそうめんが出る。なぜ葬式かは知らないが、このまま放っておくと葬式の食べ物になりかねない。
 酢は、古来つかわれてきたもので、現代の食事には少ないが、昔の人は実にたくさん酢をつかったものだ。そうめんのおつゆに酢をつかうのは、古来の法と考えているが、いかがであろうか。酢とみりんと、昆布だしのおつゆをご存知ない方は、是非試されたらよい。ことに夏向きの食欲増進にはもってこいだし、夏バテも解消することうけあいだ。

 東福寺ゆかりの聖一国師はそうめんもて肉身をやしない、精力絶りん、国家安泰のために活躍したもう。それにあやかって、元気に夏を過ごしたいものだ。多分このころは酢をtかったに違いない。 
 私は三輪そうめんの本場である桜井市の教育委員会から呼ばれて石臼の講演をしたことがあるが、たれの話をしたら珍しがられた。ついでだが、ここには三輪山をご身体とした大神(おおみわ)神社が有名だ。三輪明神ともいわれ、大和一の宮とされている。なぜか私の田舎にも三輪神社があるが由来は不明だ。

 老婆心ながらやるなら酢は合成酢酸の薄いのではだめで、醸造酢を使ってください。

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