パキスタン(Pakistan)の臼探訪の旅(北神戸中学校米澤晋彦教諭情報)
1999年7月28-8月14日,中国北西のフンジェラブ峠(Khunjerab p.)経由 パキスタンで水車で動いている石臼発見。
「海抜2500メートルを越えた天国ですよ。来年のゴールデンウイークにはゆきましょうよ」と。現在では簡単にビザが出て,言葉も子供は英語が通じるからまったく違和感はないとか。10月の利賀シンポジウムで本人から紹介予定。
日本臼類学会の旅行計画に入れましょう。
赤丸がHunza地区
標高2500メートルの世界は天国 後ろが水車小屋(石を泥でかためてある)
下臼は唯の完全な平面石,その上に厚み12センチ直径67センチの上臼がある。真白い小麦粉は実にきれい。小麦のほかトウモロコシも。
上下の臼面に目はまったくない。不規則に並ぶ窪みが粉砕作用をするらしい。回転数80-120回毎分,製粉能力1時間約5キログラム,10-30粒毎秒。ときどき味を見て流量を調節。ホッパーの下のフィーダーは皮製で,上臼の回転による振動が伝わるから自然に振動フィーダーになっている。上臼には中央に「ものいれ」があり,回転軸はリンズ軸受けであるところから,中国系ではなく,西洋式である。
水車は地下にあって,臼に直結している。(図はCrawford,O.G.S.:Antiquity,(June)1937より)
フンザ(Hunza)の中心地カリーマバードでは石臼はホドルクまたはウルドウ語でpanchakiとよばれており,小屋は多数あったが,機械化が進んで現在は使用されていなかった。
パキスタンの北部のギルギット(Gilgit)ではバンチャッキーと呼ばれており,磨崖佛のすぐ下ほか多数の場所で発見できた。グルミットと全く同じだった。