振動機械の遠心効果について

 (実験と教養の問題) 下図のように振動運動を利用した各種粉体機械があることを示す。

それには振動の強さとして振幅と振動数の適切な組み合わせを必要とするが、下図は最適値を探す実験条件の決定に利用される。ふるい分け機械は振動機械の見本といわれ、種々の機械が目的に応じて使い分けられている。それには振動の強さとして振幅と振動数の適切な組み合わせを必要とするが、下図は最適値を探す実験条件の決定に利用される。この授業ではこの図表を作成しデータをプロットし、さらに人力との比較をさせて具体的に振動を理解する。

 log-log紙を用いて下図に習って目盛をとり、右さがりの直線群を書く。

これらの計算は学生にまかせるが、要領の悪い学生もいるので、様子を見て式を下記のように計算しやすい形に変えたほうが分かりやすいことを示してもよい。

遠心効果はK=r/gであるが、慣用の値全振幅A[mm]、毎分の振動下図N [rpm] で示せば

ω=2π(N/60)   K=4π^2(N/60)^2(A/20)=0.56N^2A* 10^(-6)  

K A=1mm A=100mm
1 1336 133.6
2 1390 189
5 2988 299

上表を完成して直線群を書く。

代表的振動機械の全振幅と振動数の値をテキストから探して書かせる。 図7.4 Ro-Tap Shaker 問5.3 振動コンベア P.158 振動ミル(全振幅は10〜6mm)

代表的スクリーン機械の数値

  全振幅[mm] [rpm]
Ro-Tex Screen 88.9 214
初期小麦製粉用シフター 101.6 170
現在の小麦製粉用シフター 65 65
高速シフター 4 1000

 

 

 ふるい分け機械は振動機械の見本といわれ、種々の機械が目的に応じて使い分けられている。それには振動の強さとして振幅と振動数の適切な組み合わせを必要とするが、下図はその全貌を概観するのに便利である。この授業では代表的なふるい分け機械のデータをプロットさせ、さらに人力との比較をさせて具体的に振動を理解させる。

 まず下記の英文を板書する。英語の諺  "Setting the Thames on fire" テームズ川に火を放つ とは。ランダムハウスの英和辞典によればDo something remarkable(目だったことをして、世間の目を引くこと)とある。英文学の連中もまずこれは知らないから、おもしろい。小麦製粉関係の人なら知っているはずだから、聞いてみるのもよい。何かコメントをもらえるだろう。

 中世ヨーロッパでは小麦製粉のために人力でふるい分けることが行われた。(なぜ機械を使わなかったかについては拙著『ものと人間の文化史ー篩』第一章に詳しい注解がある。)その作業の凄さを表現している。  "Setting the Thames on fire"の実験 このテキストを手にもって一分間の間に一定振幅で規則的に前後往復運動させる。

その回数を別の人に数えてもらう。全振幅50mmと 100mmとについてデータをとり下記のように両対数紙上にプロットさせる。  「瞬発力では遠心効果3は容易だ。すくなくとも遠心効果は1以上になるようにやれ。」と命ずる。一人前とは遠心効果=1であるといっておけば全員総立ちでまさに"Setting the Thames on fire"である。  そのあと次ページに示す代表的機械の数値を板書してそれぞれ記入させる。遠心効果が1以下のズボラは×。

遠心効果の体験

 "Setting the Thames on fire"の実験

 テキストを手にもって一分間の間に一定振幅で規則的に前後往復運動させよ。その回数を別の人に数えてもらいなさい。全振幅50mmと 100mmとについてデータをとりプロットせよ。  

 「瞬発力では遠心効果3は容易だ。すくなくとも遠心効果は1以上になるようにやれ。」と命ずる。

 一人前とは連続作業で遠心効果=1であろうがかなりきつい。  

 そのあと代表的機械の数値をテキストから探して記入する。遠心効果が1以下のズボラは×。  

 "Setting the Thames on fire" テームズ川に火を放つ とは、ランダムハウスの英和辞典によればDo something remarkable(目だったことをして、世間の目を引くこと)とある。  中世ヨーロッパでは小麦製粉のために人力でふるい分けることが行われた。

 (なぜ機械を使わなかったかについては拙著『ものと人間の文化史ー篩』第一章に詳しい注解がある。)その作業の凄さを表現している。

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