シックナーの面積計算

 化学工学における代表的なスケールアップ手法の例。

メスシリンダーに泥水を入れて持参し、これと時計だけ使って使ってデータを出して、理論解析によって大きな装置の基本寸法を求める化学工学特有のスケールアップ手法であることを説明する。

 まずp.216の図7.34がシックナーであることと、規模が大きいのが普通で、直径100mを超えることもある。かってはアルミナ製造やセメント工業の主力機械として発達したが、その後セメンとは乾式法に変わった。現在では排水処理になくてはならない装置になったことを説明する。

 p.213図7.34、図7.35の図を実物を見ながら説明し、回分沈降曲線の実験からはじまることをのべ、p.213〜p.217の理論をざっと説明して、とくにKynchの理論はcapacity limitting layer(図7.35)の概念に基づくもので、数学者の奇抜な発想であることを説明する。これを理解すればあとは式(7.33)が物質収支だということがわかれば、例題7.6が自動的に解ける。

 計算表は一部解が示してあるのでこれを目標にやってゆけばよい。

 以上の説明に20分位かかる。 解法はテキストに詳細があるので右記の絵を板書すれば学生は容易に解へ到達できる。

  Z-θ曲線の勾配を読み取るとき、補助曲線として、図7.40のようにlog-log直線関係になるので、読み取った値のチェックをおこなう。

  提出は結果と図面は方眼紙の(a) 曲線とlog-log目盛の(b)線図。および図7.41の最小値曲線。

 双方が完成するよう途中で追へば一部の学生が完成する。大部分が宿題。

 遅れる理由は細かいところにこだわるためである。

 例題6.2は面積だけだが、深さの計算は時間の関係で省略。  

 右記の2つの図を提出する。時間内完成は、少数。しかし時間内完成を目指すよう指示。  本題は時間内完成を原則とし、完成者のみ採点対象とし、残りは出しても0点評価。

提出は上記2枚

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