粉体工学教授ノート

サイクロン(cyclone)の設計(時間内完成目標)

 500×700大型方眼紙を使用し、前回の分級器に直結する微粉捕集用サイクロンの製作図を作成する。

 p.198〜p.201をざっと見たのち、前回の分級器と同じ処理風量のサイクロンの基本設計図を書かせる。

前回に予備的に製図法を理解させたので、今回はさらに厳しく誤り箇所には赤ペンチェックを行う。

図7.19(b)全円周渦巻流入式サイクロンの寸法比にしたがって書け。

計算手順:

1. 例題7.2で計算した風量(0.768[m^3/s]*60=46[m^3/min]

がサイクロンに入る風量になる。

2. 入口風速を15[m/s]として、入口面積Aを計算す3. 

入口幅b、高さhの決定。  

    A*15=0.768  A=0.0512[m^2]

図にある寸法比よりb=D/5 h=D/2     ∴ h/b=5/2     

   b=sqrt{A*(2/5)}=0.143[m]    

 ∴h=0.358[m]

4. 入口寸法が決まったら、h=D/2の寸法比から、サイクロンの基本寸法Dを決定する。

  b=D/5より D=5b=0.715 

計算値の端数を丸めて分かりやすい数値にする。

 ∴ Dは φ=715mm

5. hとbの値をDを基準に計算しなおす。

6. 縮尺(尺度)を決める。(所定の用紙にうまく入るよう、1/5(推奨値)。)

作図手順:基本は前回と同じ。以下は違う点。

1. 中心線を一点鎖線で書く。

2. 直径1.1Dの一点鎖線の円を書く。これをベースにして渦巻を書く。特に渦巻を書くための仮想線だから一点鎖線で区別するよう注意。

図面チェックを一人一人入念に行う。

(チェック箇所は赤ペンで印がつくので、採点時に考慮する旨宣言する)

  赤ペンチェック項目:

1) 内部構造表示のミス。これが圧倒的に多い。  (風が通らない封鎖サイクロン、風がもれるやぶ れ傘サイクロンなど。 2)寸法の二重指定(余計な配慮や、チェックのしにくさのため製作コストアップ)

3)検査できないような箇所の寸法があれば、「自分で測って見ろ」という。

4)半径R、直径φを正しくかいているか。

大型方眼紙を使用するので100人を超える大人数の場合は集めて運ぶにも工夫がいるが、採点も容易ではない。そこで上記のチェック時に下部の氏名記入欄に採点参考事項を暗号で記入しておき、集めたらすぐ、氏名欄だけ切り取って運ぶのがよい。そのため、下記のように氏名記入欄を指定する。

                                                    

 

各装置のおおよその配置図を付記させるのがよい。

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