山梨県下にも供養参道が

山梨県東八代郡一宮町瑞蓮寺(http://www.alpha-net.ne.jp/users2/tetsuyas/zuirenji.htm)には 1000個を超える石臼がある。安永年間(1772-81)ころよりの信徒の寄進という。上臼の上縁は参道用に欠いてあるが、六分画が主で、八分画は数個にすぎなかった。石質は大部分が黒い安山岩で、一部に赤い安山岩があった。花崗岩も少し混っていた。上下臼をつかっているので、500組の臼が必要だったとして、当時500戸という戸数はかなり広い地域にわたったことであろう。あるいは何代もかかって集めたのだろうか。  このほか山梨県下には20年前の調査では六例が知られていた。東山梨郡春日居町鎮目保雲寺(曹洞宗)では合計92個、安山岩(安永年間から集めたといわれふくみの大きい古い臼である)。甲府市東光寺(曹洞宗)では完全なもの一五個、半片六個。東八代郡中道町、 敬泉寺(浄土宗)では、安山岩製の110個(明治以降のものらしい)。東八代郡豊富村三星院(曹洞宗)では10個ほど。東八代郡豊富村龍光院(曹洞宗)では先代の住職が入山されたときの祭に、村内から集めた。東八代郡御坂町小沢氏の屋敷神では380個(先祖が竹と交換して集めた)。

 なお山梨県下に寺の敷石になっているのは,武田信玄が水車を作ったとき農家の石臼を徴発したと観光客に説明していると聞く。真偽のほどを県の文化財担当者に確認したが,「それはまったくの作り話です」とのこと。信玄の頃にはまだ水車はなかった。この作り話は西洋での石臼の徴発と混同したものらしい。

保雲寺

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