リンク:稗の種子を求めて回り道
徳山村はダム建設のため住民は離村を余儀なくされた。離村して13年目、そのなかに稗を今も育て続けているひとたちがあった。1998年5月末になって小西かよさんがその種をもっていることがわかった。徳山村で中学教師だった大牧富士男先生(三輪茂雄著『石臼探訪』p.60参照)が発見者。なんとそのかよさんの孫娘小西乃莉子さんがこの10月からNHK連続ドラマ「やんちゃくれ」のヒロインとしてデビユーという。去年までは栽培したが今年はやめようと思って八十八夜に蒔かなかった。「でもそんな奇特な先生がいるのなら私も蒔くわ」と。
そして昨年の穂を私もいただいた。そして秘密の場所で種蒔き。盆の8月15日には写真のようにぐんぐん延びて穂がちらほら出かかっていた。
さあたいへん。ぼつぼつ取り入れはどうするか考えねば。どうしよう5穂4000円と知ったらドロボー除けを考えねば。
ところが期待した味はまったくない。どういうことだ。その疑問をはらすため、たまたま沖縄の石垣島で開催された雑穀研究会で専門家に聞いた。その答えは「土質の違いもあるが、稗にもいろいろな種類があるので簡単ではない」と。
残念、もとの種子は保存してあったが発芽しなかった。毎年育てておくべきだったのだ。