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世界臼類文化館開設のお知らせ
                                            同志杜大学 名誉教授 三輪茂雄
 人類史上で臼類はその食生活を支えた偉大な要素であるにも拘わらず、身近に日常的に存在していたために、学術的に取り上げられてきませんでした。筆者は元々「粉の学問」である粉体工学を専門として来ましたが、それは食物とは縁遠い鋼を削る研磨材の粒子を作る業界での研究でありました。 それが後にこ人類史に関わる偉大な問題を提起することになろうとは思っても見ないことでありました。21世紀の幕開けの2000年1月21日、クリントン米大統領の演説(国家ナノテクノロジー計画)がきっかけとなり、わが国でもナノテクノロジー(超微細加工技術)が注目されるようになりました。21世紀はナノテクノロジーの時代だと言われていますが、わが国においても盛んに研究が行われていますが、開発競争に明け暮れるばかりで後を振り向く余裕はありません。そのような状態の中で、このたび開館いたします臼類文化館の果たす役割は重要であるといえるでしょう。
 ここまで人類史を支えてきた道具は臼類であったといっても過言ではないでしう。本館に展示してあります臼類系統図は、エジプト文明を起点とした臼類の発展史を示しています。臼類の発展の特徴は多様化にあるといえるでしょう。その多様化の足跡が世界の至る所で見られるのです。その多様化の足跡をたどると、シルクロードを経由した壮大な東西文明の交流史に遭遇するのです。
 当文化館の所在地である岐阜県養老郡上石津町は、古来より京都から江戸への最短通路あるとともに南北方向は北陸から伊勢への経路でもあったために、町には世界の中心であるという気風と誇りが溢れています。私をここまで導いて下さった、このような郷里で臼類の常設展示ができる光栄を今つくづく実感しております。それを具体的に示すパネル展示室を準備しました。
 展示品の一つである友禅臼機械は実用機でありますので、友禅糊製造復活も視野に入れて活動を行いたいと考えております。また業界の安易な機械化等によりにより、現在ではスーパーの安売りの代表選手にまで落ちぷれてしまった豆腐の名誉を回復したいと考えております。筆者は日本の名誉のために本物の復活が必要であると考えております。当館がその推進力になればと真剣に考えております。皆様の末長いご支援をお願い致す次第であります。
 皆様の末長いご支援をお願い致す次第です。

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