リンク:04石臼シンポジウム報告


シンポジウム後のメールやりとり

三輪より

田中 宏社長殿 2004.4.28
 先日会場で黄な粉のサンプルを頂いたとき、すぐ言えばよかったのですが、田中さんの黄な粉の粒度を絹ふるいでお測りになりましたか。そして私のデータと比較されましたか。これでは細かすぎて市販の黄な粉と変わらないと思いますが?松尾さんはそれを知っていて敢えて話さなかったようです。おはぎはロージ(できたての餅などを一時的にならべる木製の容器)の中で走らないと思いますがいかがでしょうか。実験されましたか?

田中三次郎商店より返事2004.4.28

 ありがとうございます。かなり細かすぎたかも知れませんね。サンプルは#40メッシュでふるいました。適切なメッシュ粉かどうかは見当もつきませんがMOLAではどんなにでも簡単に調整が出来ます。特に荒いほうはどのような微調整でも可能ですね。黄な粉製粉にはこのMOLAは特にもってこいだと思うのですがーーーいつも我田引水?三次郎の主義だもので済みません。
早速担当者に先生の資料を見せておきます。今後もよろしくご指導下さい。
Sanjiro

伊藤 正より  2004.4.29

 進化か退化か?現代の石の加工技術は大変な精度をもっていますが、両田中さんの石臼は共にクリアランスを持ったものですね。その為クリアランス以上の粉は絶対に出ない!仙台の伊藤さんの手挽きの臼の黄な粉はざらつきがあり細かいものありと舌にさらりとしたものでした。手挽きの感覚で豆がもの配りから入り僅かに上臼が浮き上がるのが分かり豆の粒の粗いのが「コロ」になって臼を廻すのが軽くなる、更に軸のガタで粗い細かい粉が押し出されいい具合の黄な粉が出来ていました。工業製品に近い粉はやはりオーソドックスを加味していない!一定の隙間を持ち正円運動し、かつ軸のガタを持たない石臼は小麦粉など以外には向かないのではと考えます。粒度にバラツキのある粉だからこそ、ロージの中で走るという感覚をもちうるのではないでしょうか?そのバラツキこそ、ファジーな回転と処理される穀物の粉砕プロセスにおける上臼の僅かな持ち上がりという本来の働きをカチカチの融通の利かない堅物にした結果と思います。彼等に言うと怒るかも知れないが、喧嘩は子供の頃からの得意技、石臼の謎を十回読み直した方がよい!原点に立ち返るようにと。
 上臼を固定すると言うことは左右また上下の上臼の運動を無くする事であり、粒度のバラツキの粉を得るには不向きと!私なりに何故両田中氏の黄な粉の食感が今一つか?先生もそう思われるのは?・を考えました。穴太「あのう」の石積み(滋賀の大津の北にある地名で此処に石工の職能集団が住み、各地に今も穴太積みと呼ばれる石垣を見ることができます)は大きな石の間に小さい物はラグビーボール位の石を組合せ切石積みと呼ばれる江戸期の整然とした石垣にない美しさをもちます。また大変石垣の持ちもよいようです。さて伊藤聖悦さんを持ち上げる訳ではありませんが彼の手挽き臼の黄な粉は粗粒の最大は1o以上あり、これが混入した粉は口にすると舌の上で湿った煎餅にならない。唾液が粗粒に浸透しないからなのではと!細かい粒は唾液が直ぐに浸透して万遍に湿るから湿った煎餅になる。又粗粒は穴太衆の石垣のような粒の集合体で舌に上で煎餅になりにくい。両の要素が臼の違いから派生する。えらそうな事を言いますが先生やいかに?三輪先生殿へ 三輪先生殿弟子のまさしより

彫刻家の伊藤聖悦さんよリ 2004.4.30

三輪先生
今回のシンポジウムではお世話になりました。先生の秘密話(火打ちの火口製造と火薬)最高でした。わたしもいずれやってみます。今回は黄な粉に限定したせいか両田中さんの仕事振りがみれて今後の展開がおもしろくなりそうです。これに佐藤工房さんがからむとまたおもしろいのかなあ。私は手挽きで遊ぶことが今一番楽しみなことです。手挽臼の良さを失わず、先生のおっしゃる時代の要請にあった石臼をつくっていければとおもっております。桧山先生のいわれた電気釜うんぬんなどわたしにとってはとても身に沁み、はげまされました。そこで提案なのですがこんどは小麦を挽くテーマはいかがでしょうか。うどん、パンなど熊本製粉さんがすばらしいデータをだしてくれました。昔の小麦製粉の状況がからめばおもしろいと思うのですがいかがでしょうか。お体だいじにお過ごしください。   
アトリエRSJ 伊藤聖悦 TEL&FAX0224-84-4611    

芸術家の山本麻也さんより   2004.5.1

 石臼シンポジウムでは大変お世話になりました。ありがとうございます。特にやはり先生の話が面白くて面白くて笑ってしまうことばかり、何も科学の事などわからない私にも理解できる楽しい話が次々に出て来てうれしくて、うれしくて、しょうがありませんでした。研究者という訳ではありませんが、制作者として先生や皆様から大きなパワーをいただいた旅でした。先生や皆様の熱意はすごいと思います。私が一番若いはずなのに、一番熱意がないのかも知れないと思うくらい。今年も三輪先生にお会いできて、これで制作に励めるぞ!と気合が入りました。東京でがんばります!

 先生お体に気をつけて。また来年もお会いできたらうれしいです。 山本麻也

三輪から返信

山本麻世樣
 この度はシンポジウムにご参加いただき有り難うございました。またこの度は沢山の写真ありがたく頂戴いたしました。本人はこう言うとき写真は忘れていまして、さてHPに出そうとすると困るものですが、いつのまにか沢山撮っていただいていたのですね。さっそくシンポのレポートに使わせていただきます。実は例年最後に全員で祈念写真をとるのですがそれも忘れていました。帰途に宇治まで送ってくれた榎本君は来年からは彼が会の招集をやリますからと言ってくれました。確かに講演で口にしましたように、添付図のように見えたのでしょう。もういくぶん浮力を感じていますからね。
 田中三次郎社長は来年は熊本製粉でやろうかとか言っています。今後ともよろしくお願いします。

戻る