00石臼豆腐シンポジウム準備状況(記録)

1. 「どうなっているんだ。ニュースを出せ」と催促がありました。期待していただいている方が多いようでうれしいことです。実はまともな豆腐を作るのに懸命でしたが、ようやく天下一の豆腐が完成しました。4月26日に大垣で第3回豆腐製造実験に挑戦して、ようやく気に入った豆腐が完成しました。2度目立て方式を変え、現在の流れ作業プロセスに合わせた結果 、石臼からの呉汁の出具合も順調、さて・・・、石臼で会心の作品に、昼食も忘れて豆腐を寄せていた豆腐屋のオヤジが部屋から飛び出して来て「できたぞ、できたぞ」とウワズッタ声。「食ってミロ」とオヤジ。私「ウーン うまい。これでアサヒグラフの記事に紹介した1970年代の京都のこだわりの豆腐の味に会えた」。さっそく市内の寿司屋などに配って味見してもらって、いずこも「これはうまい」「重厚な味だ」「なんぼでも食える」などなど。15kg40分で120丁できました。養老町の大橋豆腐店。因に現在でも全国発送しており、たとえば海部前総理へも送ったそうです。このオヤジはシンポジウムで紹介しますのでそれまで秘密。 

できた!!と石臼機械の前で喜ぶ石臼豆腐メンバー

   本当にうまかったです。温泉津で不満だったところが解決しました。秘密は臼の目の直しとにがりを丹後の海水でやったことでした。

2. シンポジウムの前哨戦として、5月31日に大垣市内寿司屋のすしよしさん2Fで大垣市内在住の会員で準備会を開催しました。参加者は西濃トーヨー住器社長 伊藤 正、豊設計事務所社長 富田新一、大橋豆腐店専務、上田石灰の細川 宏、岩田広光、タニサケの矢野 豊,それに三輪茂雄。

3. それで大垣シンポにハズミがつき、会場予定の情報工房に行き、会場のチェックをしてきました。

4. 当日の会場設定やコンピュータ操作などの労働力は私の研究室卒業生が担当。コンピュータはMac,Windowsいずれも可。上田石灰の細川、岩田が担当します。

5. 講師で確認が最後になった橋本建次さんに29日名古屋駅で会い出席確認。これで講師全部確認終了。

6. 1丁豆腐用電動石臼も一台新規製作準備進行中。1999年の石臼シンポジウムに参加した富田社長が自ら挑戦中で、6月1日富田氏宅を訪問し、近くの鉄工所で製作中の架台につき検討した。 .

シンポジュームに向けがんばっている大橋豆腐店社長

7. 1丁豆腐製造用電動石臼2号機製作

 富田新一社長は1丁豆腐製造用電動石臼2号機製作準備。6月21日(水)午前9:00-午後4:00岐阜市内の富田宅で器械の調整が行われ、展示可能寸前まで進捗。なお最終調整を行って、6月30日に揖斐川町の矢野 豊氏が会社に運んでその会社自慢の名水で豆腐試作準備。上質の水の供給可能な株式会社タニサケの協力を得て、工場で試運転。

池田町の株式会社タニサケの研究室で試作試験

8. 6月21日(水)午後6:00-8:00 石臼豆腐試食会 於:料亭 四鳥(http:www.spi.ne.jp/~yontori)

  発起人:大垣地方市場冷蔵(株)社長 大橋敏郎

      (株)三起や 社長 加藤公一

 大垣市内の名士や有名料亭の女将に誘いをかけ、会費8000円で開催。そんな会費で集まるもんかという声をよそになんと定員50名を越えたのには主催した伊藤 正社長自身もおどろき。石臼豆腐の引力はさすが。料亭四鳥の主人はその日のために”豆腐を愚弄する者は国を滅ぼす”と題する印刷物(お献立表)をつくってお膳に添えた。見事な演出に全員感銘。最後にガンバロウ石臼豆腐シンポジウムとバンザイ三唱。ところで豆腐の評価はどうだったのか。「初恋のキスの感じ」といったら、真言宗五穀寺の富田法巌師いわく。この豆腐は「20代のオッパイだ。プリンプリンしてる」。やられた。それに比べ町の豆腐屋の豆腐は「グシャグシャ」。誰だって分かるんだ。

なお「豆腐を愚弄する者は国を滅ぼす」とは、幕末の洋学者 大村益次郎の言で第十一代将軍徳川家斉(1773-1841)が100人を越える側室をかかえたので、側室業の競争激甚を極め、江戸では豆乳で入浴することが流行した。そのため江戸の市中の豆腐が不足したことを言ったものだとは富田師の説明。さもあらん。なるほどなるほど。町民文化全盛時代の話。

大村益次郎(http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~e971293/bakumatu/oomura.htmlより借用)

大村益次郎は高杉晋作や西郷隆盛とならぶ幕末の長州の兵学者。アームストロング砲で上野で彰義隊を率いて戦い、「宮さん宮さん・・・」の唄の作詞者でもある。45才で徴兵制に反対する連中の襲撃にあって重傷を負い死んだ。

9. 星野芳郎氏の最新刊『日米中三国史-技術と政治経済の55年史』(文春新書,文芸春秋刊)700円は当日会員に配付。また5月21日の朝日新聞広告で『技術と文明の歴史』690円発売の知らせあり。いずれも分かりやすいそして切れ味のよい評論はますます鋭い。

戻る