リンク:石臼の形態の謎(石工とかごやの合作だった)


 石榑花崗岩探訪記

 豆腐用に最適な石として三重県  2001.10.21日、石臼の原石調査を行った。北は滋賀県の霊山岳から南は御在所岳へ鈴鹿山脈は滋賀県と三重県を1000メートル級の山塊で隔てている。この山並みには古来幾筋も山越えの道があり、その一つが石榑峠を通る石榑越えである。三重県側にこちら側から入ると、石臼の故郷である、石榑の里に入る。石臼の一大産地であった集落は民家の石垣に名残りヲ残しているのみで、峠の登り口のキャンプ場がアウトドア派の人々で賑わっていた。  このあたりから花こう岩が道端に現れる。石臼1セット取れる直径1メートル程の石だ。  さらに進むと道は急坂になり、途中岩肌が露出している場所がある。車をとめて近くに寄るとこれも花崗岩。その下は渓流が流れ角ばった岩がいくつか重なっている。少し上流の岸壁が崩落したものであろう。  峠が近くなると二箇所のコンクリート製のガードがあり、2トン車以上通過不可になっている。峠より滋賀県へ入り、しばらく降り岩肌を見るが、崩落防止の吹きつけコンクリートで岩肌が確認できない。しばらく下ると、小さな滝のような川があり、ここでサンプル採取。まちがいなく三重県側のものと同じ。ここで山全体が花こう岩であることがわかった。  下りもゆるやかになり滋賀県の最初の人家がある杜葉尾(ゆずりばお)の道標が見える。車をとめて道標の側の橋の上から犬上川を見る。白っぽい大きな転石、その数に圧倒される。蛇行する清流が岸壁に青青とした淵を見せているが、他はすべて白である。まぎれもなく花崗岩の転石群、その数と量にしばらく自然の力に目を奪われた。さらに下ると永源寺ダム→永源寺→八日市へと八風街道と呼ばれる道が続く。  石臼の要求する適切な岩質の花崗岩は鈴鹿山系の中央部の三重、滋賀両県にまたがって存在した。

 

 

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