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豆腐に学ぶ
スーパーの本棚で『眼からウロコが落ちる本』(PHP文庫,1999)を見つけた。ピラと開けただけで, たしかに眼からウロコが落ちた。明治時代の俳人・荻原井泉水さんは、人間の柔軟性について、豆腐をたとえにしてうまい表現をしていると。
「豆腐は、四角四面の仏頂面だが、軟らかさは申し分ない。身を崩さぬだけのしまりもある。煮ても焼いてもよし、沸きたぎる油で揚げても、寒天の空に凍らしてもよい。相手を選ばぬ。チリ鍋、スキヤキ、おでん、正月の重箱でも、仏事のお皿にも一役買う。実に融通がきく、無我の境地に至っている。それは重い石臼の下をくぐり、こまかい袋の目を漉して、さんざん苦労したからである」と。