与謝野夫妻が詠んだ琴引浜の歌

琴引浜はね、昔からたくさんの人に愛されてきたんだ。1932年には、有名な歌人の与謝野寛(よさのひろし)さんと晶子(あきこ)さん夫妻もこの浜を訪れて、素敵な歌を残しているんだよ。一緒に見てみよう!
たのしみを
抑えかねたる汝(なれ)ならん
行けば音をたつ琴引の浜
松三本
この蔭に来る喜びも
共に音となれ琴引の浜
晶子さんは海辺の街で育ったから、砂浜の歌をたくさん詠んでいるんだ。彼女の他の歌も一緒に読むと、琴引浜で過ごした時の気持ちが、もっと伝わってくる気がするね。
てのひらに
砂の匂ひす恋人を
もつ人ならば悲しからまし
海恋し
潮の遠鳴り かぞえては
少女(おとめ)となりし父母(ちちはは)の家
砂山を
また踏みにゆく やわらかさ
恋の心に 似ると思えば
