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角海浜の鳴き砂と原発についての私の見解

 新潟県西蒲原郡巻町角海浜の浜砂は構成砂粒の大部分が鳴き砂としての特性を有している。現在は砂浜で発音特性を示さないが、海の波の力学的な作用をシミュレートした洗浄によって顕著な発音特性を復活する。

 洗浄によって分離される汚泥は砂の0.7パーセント(質量基準)に達するが、これは近年建設された樋曾山隧道から浜辺の南端近くに排出されている農業排水を主とする著しくSSの多い排水(汚水)が原因である。このことは東北電力(株)の巻原発公開ヒヤリング試料に示されている航空写真によっても明瞭に示されている。

 樋曾隧道からの廃水処理を完全にすれば角海の鳴き砂は鳴き砂の特性を復活する筈である。同時に浜辺の生物環境も改善されよう(たとえば微小貝)。

 目下巻原発建設計画が進められているが、この汚水の問題は原発以前の問題であり、原発とは独立に解決すべきである。新潟県沿岸一帯に見られる海岸汚染のもっとも著しい例に属するため、五ケ浜、越前浜など新潟市方面へ向かっての海洋汚染源になっている。

 ことに角海浜は鳴き砂であり、汚染源が除去されれば、それは永遠なる価値をゆうする。一方たかだか30年しか耐用寿命のない原発との評価は単なる目先の経済効果だけでは済まされない。

(そして書きの図を付けておいた。今でこそ知る人も多いが当時は専門家以外には知らずにいたから、マスコミもおどろきの態。「そんな!!永久に使えるものと思っていた。」という反響だった。2003年現在各地で原子炉の事故や事故隠しの報道が絶えない。

廃炉の状態(通産省資源エネルギー庁編『原子力発電便覧』〔1982年販)

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