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添付されていた小菅さんの顕微鏡Photo

北海道:長万部で新しい鳴き砂発見

先生こんにちわ。私は北海道の長万部町立静狩小学校の5年生の小菅真奈美(こすが まなみ)です。私は今総合の調べる学習で(静狩の砂は鳴き砂なのか」というテーマで調べています。どうしてこのテーマにしたかというと、静狩の浜で遊んでいて、走ったり歩いたりしていたら、キュッキュッと音がするので、何だろうと思っていましたが、校長先生が理科の勉強のときに鳴き砂のことを話してくれました。だから総合学習の勉強がはじまったとき、何を調べようかとまよいましたが、鳴き砂のことを思い出し、これを調べてみんなに教えてあげようと思ったからです。

 これまでにインターネットで鳴き砂のことを調べ、静狩の砂をとってくらべて見ました。

1. 静狩の砂粒は1mmより小さい(写真1)

2. 砂が白っぽいです。

3. 砂の中にガラスのような粒が多くはいっています。

 とうめいな粒 412個

 茶色の粒 27個

 黒い粒 150個

 おおど色粒 30個

4. 写真2のように足で蹴るように歩くとキュッと音がする

読んで先生が気ずかれたことや、こんなことを調べてみたらどうかというアドバイスがありましたら、教えて下さい。

平成15年9月5日

 長万部町立静狩小学校の校長から書簡

  謹啓北海道では、降雪の便りが聞かれるようになりました。先生におかれましては、益々ご健勝のこととお喜び申しあげます。また、早くに静狩の砂が鳴き砂であるというファックスをいただいておりましたが、お礼も述べず、ご無沙汰してしまい誠に申し訳なく思っております。さて、以前にお知らせしました「総合的な学習の時間」における、5年生の小菅真奈美(こすが・まなみ)さんの『静狩になき砂はあるか』という調べ学習も調査の段階を終え、''まとめ"に入りました。現在は、学芸会の準備のために''まとめ"もストップしているところでございます。本来でしたら、小菅さんにお便りを書かせようと思っておりましたが、学芸会の取り組み等のために時間がなく、代わって私が書いている次第であります。本校は、全校児童13名という小規模校のため、一人で4役5役をこなさなけれぱなりませんので、どうかご理解下さい。ところで、1度目のお便りの後で、小菅さんは次のようなことを調べ、彼女なりの結論を導きました。

1. どのようにすると砂がよく鳴くかを調べました。その結果、乳鉢に砂を入れ、木の棒で突くとよく鳴くということが分かりました。

2. 北海道各地の砂を取り寄せて、色や粒の大きさ、鳴くかどうかなどを比べました。3. 静狩の海岸のどのくらいの範囲に「鳴く砂」が分布しているかを調べました。ゼンリンの地図に鳴く砂のある場所を印し、縮尺から計算しました。その結果、約4.5キロメートルにわたって鳴く砂があるということが分かりました。
 以上のことも含めて"まとめ"に入りましたが、以前に先生からファックスでいただいた内容(静狩の砂が優秀な鳴き砂であること、高温石英を探してみるようにとのこと)は本人には知らせておりません。本校の子ども達は、田舎育ちであり、普段から地域外の人と交渉する機会が殆どありません。特に、大学の先生などと文通できる機会などないものですから、先生から小菅さん本人に返事が来るのではないか、その中で''鳴き砂である"という結果を知った方が感動が大きいだろうと思い、知らせてはいないのです。本人は、鳴き砂なのかどうかをかなり気にかけているようですが、一応、これまでの結果をまとめるということで活動を進めております。先生には、お忙しくて、お時間がないのでしょうが、できますれば本人宛に手紙でも、ファックスでも返事を書いていただけますと、小菅さんには大きな励みになると思っております。できればで結構でございますので、余り負担に感じないでください。もし、お時間がないようでしたら、発表会を行う前に、私の方から以前にいただいたファックスの内容を教えようと思っております。

 以上、厚かましいお願いばかりで申し訳なく思いますが、ご協力のほどよろしくお願いいたします。返信用の封筒を同封いたします。もしファックスで返事がいただけるのでしたら、静狩小学校のフックスですが01377-6-2004小菅真奈美宛でお送り下さい。

 最後になりましたが、季節の変わり目ですので、風邪などひかないようご自愛下さい。敬具
 2003.10.26

私から返信

 小菅真奈美樣

 長万部町立静狩小学校
 小菅真奈美樣
 先に新しい鳴き砂の発見について校長先生からお知らせいただきお礼状をさしあたり先生宛に出したのですが、肝心の小菅さんに返事を出し忘れていて失礼しました。
 貴方は詳細に調査され、きれいな砂の顕微鏡写真(スケール入り)とともに殊に砂粒の種類の個数分布を示しておられることはすごいことです。あの細かい砂粒の顕微鏡下の分類は大変な作業だったでしょう。それを敢えて実行されたことはすばらしいことです。顕微鏡写真まではいままでも出した方がありました(渥美半島)が、これは日本初です。
 向の室蘭の鳴き砂との対比もされたらおもしろいと思います。内浦湾の全域に広く存在するかもと思いましたがそれも実行されたとか。室蘭の鳴き砂については現在現地に熱心な研究者がおられますのでご連絡されたらいかがですか。
 室蘭市母恋南町五-一五-一八
 寺地憲一さん(電話0143-22-7461)です。なお寺地さんは鳴き砂を鳴り砂と呼んでおられますが、これは私のHPで
http://www.bigai.ne.jp/~miwa/sand/qnakinari.html
に詳しく説明しています。鳴き砂が正しいのです。なおイタンキの砂には下記の左のような高温石英が殊に多いことで有名ですが、多分お気付とおもいますがいかがですか。
 近く私のHPに長万部の鳴き砂の便りを紹介させていただきますのでよろしく。
 学校の行事でお忙しいそうですががんばって下さい。
2003.10.26
                         三輪茂雄

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