ハルマヘラ島の鳴き砂地図(1994.12.28.増田米蔵氏よリの情報)

増田米蔵(茂原市在住);本流同人会発行、同人誌”本流”No.17(1969年冬号掲載創作「安らぎ」より)氏は太平洋戦争の終戦をこの地で迎え、浜辺をあるいた想いを鳴き砂に託してこう書いている。”自然の織り成す美のなかに、いつか歩を進めている自分、一足ごとにキュッキュッと生きている証拠を音に替えて、いちいち投げ返してくれる限りない鉱物の集団、聞こえるのは踏みしめる二人の足音だけ、振り返れば遥かに続く二筋の軌跡。この浜も初めて通った訳ではない。この前は敵機の爆音を気にして急いたのだ、足許の砂がかくも可愛いものとは思わなかった。そうなのだ。戦争は終わったのだ。”(氏は戦争中楓兵団の野砲兵としてこの地にいた。「近くに現地人も住んでいないらしく、その海岸で自然のままで、私達の足跡のほかは何の乱れもありませんでした。」と。

 その後このことを聞いた筒井理化学器械株式会社の現筒井社長は、「その島に私の父筒井一郎もいました。」と。

戻る