琴引浜で見る鳴き砂生成の秘密
冬の琴引浜に立って打ち寄せる波を見つめていて、図1のような波の運動を見た。遠洋から続々浜辺に押し寄せる荒波が、浜辺激しくぶつかって砕ける様を詳しく見ると、逆流域が存在する。砂浜に駆け登っていった水が逆流し、次に押し寄せる波とぶつかって激しい回転流が生じているのだ。この回転流が砂洗浄の場なのだ。こういう波の渦の速度はだいたい秒速数メートルを越えることはない。つまり渦流の中で砂粒同士が水を介してゆっくりこすれあうことだ。この鳴き砂生成の秘密は、英語でミリングである。適当な日本語が見つからないので、カナ書きだが、図解すると図1と図2を見ていただくと、なるほどと分かっていただけると思う。図2はセメント工場などで見かけるボールミルと呼ばれる回転する機械である。工場では鋼の球をいれて轟音をあげて動いている。これは搗き臼の機械化の極限である。十九世紀的機械だから恥ずかしいからと、ハイテクの工場では山奥の秘密の工場だったりするそうな。
ビーチ渦で洗浄が起こる
山形県西置賜郡飯豊町で蛙砂を製造している
ボールミル