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インクジェットプリンター用紙に潜む粉の技術
コンピュータのインクジェットプリンターの用紙に粉の技術が貢献している事実は意外に知られていない。紙に炭酸カルシュームの粉末が入っていて、インキが滲むのを防いでいる。その粉はただものではない。炭酸カルシュームといえば石灰石だから、あれを粉砕したものと思うが、そうではない。石灰炉で生石灰をつくり、それを水にいれて消石灰にし、それに石灰炉で焼いたときに出る炭酸ガスを吹き込んで、できる沈殿を、乾燥して、ほぐした粉だ。「なんでそんなまわりくどい」と思うが、電子顕微鏡で見ると独特の粒子形状をしている。その形にしてはじめて使い物になるという。電子顕微鏡があってこその、粉体の最新技術・粒子設計のはしりはこの日本発の新技術だった。驚いたことに尼崎市に本社がある白石工業という会社はそのベースをを明治42年に軽微性炭酸カルシウムとして完成していた。老舗といわれる由縁である。