万石通し

 万石通しには上級から下級まで種々ある。民俗舘や博物館で見る大部分は下級品である。下記は極めて高度の熟練者が使っていたもので,万石の粋というべきであろう。網目も流れ方向に長めにし,さらに詳しく調べると同じように見えても一目ごとに目の寸法を変化させている。また網を張ったものではなく,手編みである。日本人の徹底的な追及の見本だ。この網目を流れ方向に変化させるアイデアが日本古来のものであった事実が外国特許の日本上陸を阻止した。(三輪著:『ふるい分け読本』

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