雪解け 鳴き砂ピンチ/室蘭・イタンキ浜

朝日新聞(室蘭)2006年04月28日(原文は鳴り砂になっているが、明らかに鳴き砂なので訂正した。詳しくはhttp://www.bigai.ne.jp/~miwa/sand/narinaki.html 参照)
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鳴き砂の浜から約10メートル山側に、ごみ混じりの黒い丘が続く=室蘭市イタンキ浜で
 ■ 雪捨て場隣接、ごみ混じり
 「鳴り砂」で知られる室蘭市イタンキ浜の隣接地が、ごみ混じりのどす黒い雪で覆われている。27日、今年初めてのクリーン活動に訪れた「室蘭イタンキ浜鳴き砂を守る会」(菊地富子会長)は、「鳴き砂は浜辺がきれいな状態で保たれていることが大切」として、影響が出ないか心配している。
 (室蘭支局・田中晃)
 犯人は室蘭市が冬に捨てた土砂混じりの雪が溶け始めたためだ。同市の雪捨て場は市内に4カ所あり、イタンキ浜地区の私有地約8400平方メートルもその一つに指定された。しかし、今冬は例年にない大雪で、捨て場が満杯となり、例年は使用されることのない同地区にも大量に捨てられた。
 イタンキ浜は04年6月、浜周辺約800メートルが道の「ポイ捨て防止条例」に基づく3カ所の環境美化促進地区の一つに指定された。市の定める雪捨て場は指定地域から数十メートルしか離れていない。高さ約4メートル、長さ約150メートルにわたって、土砂やごみが混じった黒い雪の丘が残っている。
 市土木課によると、鳴き砂の会から要請があったとし、表面に出たゴミはその都度処理し、雪の塊については、もう少し溶け出してから処理し、雪捨て場をほかに移すよう検討するとも言う。
 同海岸には、プラスチック容器やビニール類など様々なごみが毎日のように打ち上げられている。こうした状況に、鳴き砂を守る会は、97年から環境保護へ観察と清掃を続け、清掃は4月下旬から10月まで、約10回清掃を実施している。
 同会の菊地会長は「雪捨て場の丘からごみが風で砂浜に飛ばされて、このままでは保全活動の意味がなくなる」と、いっそうの配慮を求めている。
 ◆鳴き砂   成分の石英が互いにふれあった時に出る摩擦音。海水、空気、浜辺がきれいな状態が条件で、たばこの灰などが混入しても、全く鳴らなくなるという。全国で約30カ所程度と言われ、都市の市街地近くに鳴り砂があるのは珍しい。

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