2006年6月24-25日(土日)山形県飯豊町で第11回全国鳴き砂サミットIN飯豊での基調講演(予定)原稿です。

  (参加は自由ですので、ふるってお出かけ下さい)

日本の鳴き砂は世界一
                     同志社大学名誉教授   三輪茂雄
1. 世界一って本当?
 鳴き砂で大騒ぎしているのは日本だけです。外国ではほったらかしです。
これは困ったことですね。東南アジアでも次々に発見されています。私の友人で世界左衛門である貿易商・九州の小郡市の田中三次郎商店社長(田中 宏氏は最近もマレーシャで新しい鳴き砂を発見しています。あの鳴き砂一直線上です。なぜ一直線上かは謎のままです。今年サミット主催地が飯豊だから世界一と言うのではありません。私は全国のサミットに参加したとき、それぞれの主催地では、そこの砂は日本一だと確かに申しましたが、これは女性を見たら総て美人だと言うのと同じです。確かにそれぞれ個性があり、そこを強調すれば皆美人だと言えるのと同じです。しかし、飯豊の砂は本当にそうなんです。まさかと思うでしょうが、私が確認した限りでは本当なんです。それどころか世界一粒子が大きくて、美しい。その横にでる砂はありませんでした。これは私が知る限りでは間違いありません。異議ありという方は夜の宴会で大いにやってください。
2. 外国の状況
 世界一なら何でもまずアメリカですが、オタワサンドがそれです。粒子の形が単純でつまらない。ロシアにもありますが、やはり同じです。ヨーロッパにはイギリスなどにありますが、もっと落ちます。
 飯豊の砂は千変万化というか、一個一個に個性がある。なにか鳴き砂は国民性を反映しているようですね。京都府丹後半島の網野町・琴引浜の砂もそうです。じゃー丹後と山形はどっちか、これはやばいから夜の宴会で大いにやって下さい。
遅谷
( http://www.bigai.ne.jp/~miwa/sand/what/j_photos.html )
アメリカの有名なオタワサンドは高級ガラス原料として輸入しているし、最近はネットでも安価で入手可能です(薬品壜入り1本5250円)工業用トン単位ならもっと安い)。               ( http://www.fishersci.co.jp/shop/goods/goods.aspx?goods=S233 )
イギリスのスコットランドEigg島の鳴き砂はイギリスの鳴き砂研究者Isobel Clouter女史日本来訪の時にもらいました。
 彼女はいきなり手紙で「私は日本の鳴き砂を見にゆきたい。丹後と島根に行きたいから案内してくれ」と言って来ました。ただ名前だけで男とも女とも、年も書いてなかったから、「Mr.か Missか Missesか分からんではないか?」と聞いたら、Missesで年は30歳だという。「それで分かったOk」。そこまではよかったのですが、「京都から丹後へは乗り継ぎがあって簡単ではないぞ」というと「同行して下さい」と。さあ大変、京都駅で待ちあわせて、網野町へ。さて網野に着くと、今日中に京都に帰りたいと。「それは無理だよ」と諦めて松尾さんの民宿に宿泊しました。車内では話すわ話すわ。「少々黙っとれ」と言っても無駄。長い2日間馴れない英語生活でした。
3. 飯豊の砂のどこが世界一なのか?
 鳴き砂の優秀さは音の波形の美しさ(規則性)で分かります。それと問題は発音実験ですが、図1は発音実験用テスト ポットです。パイレックス ガラス製です。最近多くの偽物が横行していますが、最小5グラムでもテスト可能な構造が必要です。非常に高価で、現在では1組3000ー4000円位(東京・筒井理化学器械(株)製)するようです。これはどうしても相当熟練した職人でないと作れないそうです。しかも1個では作ってくれません。私は100個単位で発注していました。あちこちの守る会に独自のセットがあるようですが、今まで見た限りではどれも駄目でした。少なくとも普通のガラスでは不純物のガラス粉が出ます。
 
飯豊の砂で出来る究極のテスト
 これは飯豊の砂で初めて得られたデータです。試料を最小何グラム使用するかです。最小5グラムでしかも水中で発音しました。100mlのビーカーの中で、砂が斜面を辷り降りるときヒーという微妙な音を発します。私はヒー音と呼ぶことにしました。これは第一ピークが699Hzでした。これを見た学生は「先生なにやったはるんですか」と怪しそうに聞きました。「あの声だよ」というと、自分でも聞いて、「なるほど」でした。「なるほどって君聞いたことがあるんか」というと、「ウッシッシ」「この野郎」。
 あとアクリル円筒直径を変えた実験もやりました。このような水中で鳴く砂については、世界中で19世紀英国スコット ランドEigg島の鳴き砂研究者Brownが唯一書いているだけです。困ったことに外国では、音感にうるさいミュージシャンしか、鳴き砂に興味を持ちません。困った現象ですね。
 
4. まとめ
 飯豊の山砂が世界一の鳴き砂だという、信じがたい話ですが、世界中探しても右に出る砂は現在までのところなさそうです。ここで文句がでたら嬉しいです。
参考文献
1. http://www.bigai.ne.jp/~miwa/sand/guestengland%20.html
2. 著者brownの原文 Philosophycal Soc.Proc.Ser.A.[No.21].217-230(1961)
の紹介                           http://www.bigai.ne.jp/~miwa/sand/what/e_brown1961.html

 

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